縞馬は青い

縞馬は青い

映画とかドラマとか、好きなもの

福岡旅とアンジュルム遠征

5月6日と7日に福岡へ行った。7日に博多の会場で行われるアンジュルムのコンサートを見るのがビッグイベントで、その前後に観光をかましていく素晴らしい自作ツアー。東京の会場でやっている公演に行ってもいいのだけど、こういういわゆる遠征っていうものを…

劇団アンパサンド『それどころじゃない』

2022.3.26@アトリエヘリコプター 躁うつ状態を表現したような演劇である。20秒に一回くらい、爆笑するタイミングがある可笑しい演劇である。でも可笑しな状況と並行してずっと目の前では怖いことも起きていて、笑うのと同時に気持ち悪さを覚える。這っている…

あるかなきかの窓辺 どら焼きの予感/杉田協士『春原さんのうた』

転居先不明の判を見つめつつ春原さんの吹くリコーダー (ちくま文庫『春原さんのリコーダー』より) この原作短歌だけを頼りに映画を観ていると、気づいたらこんなところまで来ていた。どういう道を辿ってここまで来たのか、果たして言語化できるだろうか。 …

2021年のお気に入りポップカルチャー66

2021年に見たお気に入りです。新作映画は別エントリーに記しました。だいたい順不同。 bsk00kw20-kohei.hatenablog.com 1.ハロー!プロジェクトのライブ/行ったやつ:『Hello! Project ひなフェス 2021 Juice=Juiceプレミアム』(21.3.27@幕張メッセ)、『H…

My Best Films of 2021 - 魔法の時間について

映画の中に流れる時間が好きだ。それはだいたい、自分の場合ゆったりしすぎているか緊張感に溢れているかのどっちか。『サウンド・オブ・メタル』という映画で、ある日突然 耳の聴こえが悪くなってしまったドラマーの男が、聴覚障がいの少年と出会う。絶望の…

ゆっくりしたい(2021年12月12日)

スナフキンズが『M-1 2021』3回戦と準々決勝で披露したネタより抜粋。 「いきなりなんやけど、今度合コンあんねんけど、くる?」 「(食い気味に)いく〜〜〜」 「はや〜〜」 「え、行っていいん?」 「ええよ」 「まじで?」 「おん」 「(両手を高く上げて…

ポップカルチャーをむさぼり食らう(2021年9月)

■キングオブコント2021、神聖なくだらなさ 今回の大会に関してだけ言えば、僕はとにかくくだらないコントが好きだった。とにかくいい大会だった。R-1とは比べ物にならない、あらゆる点で完成度の高い番組。オープニングのあの音楽の感じ、今泉監督だからトリ…

秋臭秋臭秋(2021年9月1週目)

夏の終わりにはそれ特有の匂いがあると彼女は言った。それって秋のはじまりのあの金木犀の匂いと一緒でしょ、と思ったし実際に言ってみたのだけど、彼女は違うと言う。今がその頃合いなのかな。夏が終わるより先に、秋ははじまってしまうような感じがするん…

対面の消失

気に入ってるカフェでごはん&読書したあと店を出ると、すーー、っと知っている人が通り過ぎていった。この街ではもう何度目かの発見になる。ある芸人さんなのだけど、いつも紫色のシャカシャカっぽいズボンを履いているのですれ違うとすぐに気づくのだ。吉野…

縞模様螺旋(2021年8月1週目)

コロナ感染拡大下のオリンピック開催、蹂躙される文化とスポーツ、ワイドショー的SNS、双方向ディスコミュニケーション、排除したい人々と、ここにある一人ひとりの生活、剥き出しの刃、底知れぬ恐怖、世界から隔絶された部屋、部屋から隔絶された世界。 日…

先週-貪食-カルチャー(21年7月4-5週目)

カルチャーに多く触れる時間を削ってでも日記を書くべきかいつも迷うけれど、いつも同じ結論に辿り着く。それは書いたほうがいいだろう、と。そもそも、多く触れることを目指してはいなかった。アウトプットのほうが大事だった。 オリンピックのあれこれを経…

細田守『竜とそばかすの姫』

「あなたは誰?」「ほんとの姿はどっちなの?」とBelleが問うときの、奥に潜む哀しみの根源にあるものはなんなのか。といえばもちろん母の最後の行動の“理解できなさ”なのだろうけど、それを仮想世界で自由を得たBelle(鈴の仮の姿)が執拗に問い続けるとこ…

願望と感想(2021年7月13日)

なにか心を奪われた作品についてレビューを書くとき、その作品が持つ雰囲気やモチーフ、テーマを、書くレビューの文字一つひとつに憑依させたいという願望がある。感動した場面やセリフ、構成、一連のシークエンスについてその“よさ”をただ書き連ねるのでは…

今ここにある愛と危機──遠野遥『教育』雑感

『破局』で芥川賞を受賞した遠野遥の初の長編となる作品『教育』が「文藝2021秋号」(特集「怨」……かっこいい)に掲載されていて、ずずずっと一夜で読み切った。遠野遥の書く文章ほど刺激を与えてくれるものはもしかしたらないかもしれないとまた思わせてく…

回文(または怪文)

ラム食べた。民を鎮めた、スカイプ使い。武士とアイスミント、ぶざまな好み。今朝目覚め、酒飲みのコ、生座布団未遂。あと、渋いカップ活かすため、逗子を見た多部田村。 マイクの音が、スイカ嗜みクドくなる。始祖ミイラ、火祭り、マウントばっかりギリ吟味…

こぼれても、ある(2021年5月25日)

こ ぼ れ 落ちていく。 感情が、言葉が、怒りが、悲しみが、愛情が、パっと掴んだ手のひらの隙間からほろほろとこぼれ落ちていく。いつも感情や言葉のことを信じられないのは、そうやってすぐに1秒前にあったものを失い続けてしまうからだった。断片的には覚…

言葉って(2021年5月7日)

言葉はどれだけ文字数を尽くしても自分の心と一致しない。それでいてなお言葉が好きで話したり書いたりするのに特別な信頼を置いている理由は、結局言葉を使う以外に自分の心や他人の心を見る方法がないからだと思う。今日も僕は、自分のいまの感情をスケッ…

生活って(2021年5月5日)

どの言葉を吐いても自分の心じゃないような気がする状態が続いている。続いているというか生まれてこのかただ。息を吐いた途端にその白い水蒸気が寒さを伝えてくるみたいに、見えてなかった心が言葉によって浮かんでくる瞬間も一方ではあるだろう。好きなラ…

エビチリの赤がケチャップ由来だっただなんて誰も教えてくれなかった(2021年5月4日)

2日前に買った冷凍のむきエビでエビチリを作ろうと思ってレシピを調べたら、あのトロトロの赤の大部分がケチャップで構成されていることを初めて知って驚いた。中の食べ物に洋っぽい調味料が入ってるだなんて。まだまだ世界には知らないことがいっぱいあるん…

夏と死のにおいがした(2021年5月3日)

「ホウ・シャオシェン大特集」(k’s cinema)で『冬冬の夏休み』と『風櫃の少年』を観て、そのあとポレポレ東中野にうつって『海辺の彼女たち』を観た。 1984年に撮られた『冬冬の夏休み』がノスタルジーだけでなくある種の新鮮さを帯びているのは、現代でも廃…

読めないタイ料理(2021年5月2日)

まさかの連休1日目と同じことを繰り返す連休2日目の朝。そうならないようにこれ書いてるのに。観たい映画のチケット取れなくて二度寝して、起きたら雨が降っていた。起き上がれないまま『今ここにある危機とぼくの好感度について』第2話を観る。登場人物を多…

いちばん面白い、を積極的に乱用する(2021年5月1日)

連休はだいたいスタートダッシュをミスる。早く起きてもそのままベッドのなかで映画を観てたらうとうと二度寝をしたくなるし、よっしゃ映画予約するぞっと思ったら満席になっていた。今日はだらだらドラマを観ていただけで時が過ぎ、夕方には激しい雨に頭痛…

乾杯前の一節を言えた試しがない/すきなものノート(2021年3月10日)

「好きなものを書くの。嫌いなものを書いちゃだめだよ。嫌いなもののことを考えちゃだめなの。好きなもののことを、ずっとずっと考えるの」 ーー坂元裕二『Mother』第1話 「最近なんかあった?」と聞かれると十中八九いやな記憶を引っ張り出してしまうたちだ…

“情けない”という、愛おしい情動の顕れ/ユン・ダンビ『夏時間』

子どものころの夏休みというのは、お昼ごはんを食べたら無性にうとうとしてきて昼寝して、気づいたら夕方になっていた。起きたら夜ごはんが用意されていて、それを平らげてしまったらもう瞬く間に夜はふけ、昼寝と暑さのせいで眠くならないものの布団を被っ…

「愛」の映画と「恋」の映画(濱口竜介と今泉力哉についてのメモ)

濱口竜介監督の最新作『偶然と想像』がベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)を受賞!おめでたい!『寝ても覚めても』がカンヌで絶賛されながらも賞を得ることがなかったから、ついにハマグチが世界に認められた!という感慨にふけっている。…

先週食べたカルチャー(21年2月3週目)

「湯に浸かったてたらさ、なんかずっと見られてるなぁって思って。もうずっと見てくんの。その人のほう見返してみても、まだ見てて。なんか付いてんのかなぁ?って不思議に思ってたりしたら、マスクつけてることに気づいて。マスクつけながら温泉浸かってて…

「人生を捧げる」ことのできなさ/『花束みたいな恋をした』のラフさvs『劇場』『推し、燃ゆ』の切実さ

麦くんのことを「ファッションサブカル好き」と揶揄する人を見るとイラだちを感じてしまう一方で、実は自分もそうだと思っている。そして自分自身もそうなんじゃないかと恐怖する。彼には、生きていくうえで小説も映画もお笑いも演劇も実際には必要ではなか…

『花束みたいな恋をした』の世界に坂元裕二のドラマがあればどうなっていただろう

2018年1月16日。大学4回生の最後の冬だというのに僕はまだ就職活動をしていた。 それまでサボっていたというわけではなく、ただただ受けて落ちてを繰り返していた。深夜に梅田駅から高速バスで出発し、まだ空が薄明るい時間に東京駅八重洲口鍛冶橋駐車場に降…

先週食べたカルチャー(21.1.1-1.7)

今年は映画を観るときも漫画を読むときも、雰囲気で惹かれない場合は「作品のテーマ」をしっかり理解し興味をもったうえで作品選びをしたいと思う。そういうことを考えてないとすぐにFilmarksの点数に左右されてしまうので…。*1さいきん資本主義の怖さがよう…

2020年のポップカルチャーベスト50《「先週食べたカルチャー」年末編》

bsk00kw20-kohei.hatenablog.com 2020年のベスト映画については別エントリーで書いたので、ここではポップカルチャー全般について振り返ります。 2019年の4月くらいから「ポップカルチャーをむさぼり食らう」というブログを月一で書いていたのだけど、ちょっ…