2020年のポップカルチャーベスト50《「先週食べたカルチャー」年末編》
bsk00kw20-kohei.hatenablog.com
2020年のベスト映画については別エントリーで書いたので、ここではポップカルチャー全般について振り返ります。
2019年の4月くらいから「ポップカルチャーをむさぼり食らう」というブログを月一で書いていたのだけど、ちょっとひと月のことを一気に振り返るのは時間がかかりすぎるなと思い、週一で更新することにしたのが2020年の6月ごろ。その頃はたぶんめちゃくちゃ暇だったしいろんなものを摂取する時間があったのだと思うのだけど、下半期はどんどん生活が元に戻るにつれあんまり更新ができなくなっていった。そこは残念なところ。来年もたぶん変わらないと思うけど…、面白かったものは瞬間的に記録していきたいところです。
前置き長くしたくないので、すぐに本題。
昨年、ポップカルチャー全体でベストを選出するこんな記事が上がっていて、僕もやりたいと思った次第。毎月、毎週、更新できなかった期間もあったけど振り返ってきたので、その統括的な記事にできればいいなと。一つひとつコメントしていくと長くてうっとおしいと思うので、コメントしたいやつだけ注釈に記載することにします。
そもそものポップカルチャーの定義はほとんどなく、映画、ドラマ、演劇、小説、マンガ、お笑い、音楽、アイドル、俳優、YouTube、webサイト、テレビバラエティなど超雑多なランキングになってます。ラジオだけほぼ聴いてないのでほぼゼロになっちゃいました。
それではさっそく50位から!
50.仲野太賀
49.「高円寺チャンネル」(YouTube)
48.ALTSLUM(テキストサイト)
47.『売野機子短編劇場』(マンガ)
44.田島列島『水は海に向かって流れる』(マンガ)
43.長久允『(死なない)憂国』(演劇)
42.ロロ『四角い2つのさみしい窓』(演劇)
41.NHK『リモートドラマ Living』(ドラマ)
40.月刊「根本宗子」第18号「もっとも大いなる愛へ」(演劇)
39.テレビ東京『あちこちオードリー〜春日の店あいてますよ?〜』(テレビ番組)
38.TBSテレビ『MIU404』(ドラマ)
37.ナカゴー『ひゅうちゃんほうろう-堀船の怪談-』(演劇)
36.山本美希『かしこくて勇気ある子ども』(マンガ)
35.NHK『心の傷を癒すということ』(ドラマ)
今泉力哉『有村架純の撮休』第6話:好きだから不安 - 縞馬は青い
33.グレタ・ガーウィグ『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(映画)
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』6月12日(金)全国順次ロードショー
外を覗くこと、扉を開くこと、書くこと……『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』雑感 - 縞馬は青い
32.東海オンエア
【ジョークですよ】1番スマートにてつやを「暗殺」できた奴の勝ち!
31.Juice=Juice
Juice=Juice『ポップミュージック』(Juice=Juice [Pop Music])(Promotion Edit)
【ハロ!ステ#356】Juice=Juice コンサート2020 ~続いていくSTORY~ 宮本佳林卒業スペシャル!ハロー!キッチン MC:野中美希&浅倉樹々
30.「しもふりチューブ」(YouTube)
粗品安田記念52万賭け!!せいやがレース完全再現【霜降り明星】
29.Netflix『クイーンズ・ギャンビット』(ドラマ)
28.セリーヌ・シアマ『燃ゆる女の肖像』(映画)
27.『キングオブコント2020』
『キングオブコント決勝でやったネタ「野次ワクチン」をする奴』ジャルジャルのネタのタネ【JARUJARUTOWER】
26.NHK『不要不急の銀河』(ドラマ)
25.さとうもか『GLINTS』(音楽)
さとうもか - Glints sato moka Music Video
24.テレビ朝日『テレビ千鳥』(テレビ番組)
23.「THE FIRST TAKE」(YouTube)
YUI - TOKYO , CHE.R.RY / THE FIRST TAKE FES vol.2 supported by BRAVIA
22.私立恵比寿中学
21.ラ・ジリ『レ・ミゼラブル』(映画)
20.ピート・ドクター『ソウルフル・ワールド』(映画)
19.大九明子『私をくいとめて』(映画)
映画『私をくいとめて』本予告 〈12月18日全国ロードショー〉
18.『Nizi Project』
17.フワちゃん
16.和山やま『女の園の星』(マンガ)
15.藤井風『HELP EVER HURT NEVER』(音楽)
藤井 風(Fujii Kaze) - "もうええわ"(Mo-Eh-Wa) Official Video
14.玉田企画『今が、オールタイムベスト』(演劇)
13.『M-1グランプリ2020』
マヂカルラブリー【決勝ネタ】最終決戦〈ネタ順2〉M-1グランプリ2020
12.森七菜
11.ポン・ジュノ『パラサイト 半地下の家族』(映画)
第72回カンヌ国際映画祭で最高賞!『パラサイト 半地下の家族』予告編
10.遠野遥『破局』(小説)
9.近藤聡乃『A子さんの恋人』(マンガ)
8.小森はるか+瀬尾夏美『二重のまち/交代地のうたを編む』(映画)
7.大九明子『甘いお酒でうがい』(映画)
松雪泰子に清水尋也がそっとキス 平凡な40代女性の日常を描く映画「甘いお酒でうがい」予告 ナレーションは「3時のヒロイン」
6.住田崇『架空OL日記』(映画)
5.大森立嗣『星の子』(映画)
4.ニューヨーク
漂流芸人2020〜僕の相方が失踪して‥。ぱろぱろ解散の真相〜
3.宇佐見りん『推し、燃ゆ』(小説)
2.ABEMA『17.3 about a sex』(ドラマ)
1.キム・ボラ『はちどり』(映画)
*
人間は忘却することが得意な生き物だから、6月ごろに地の底まで落ちていた自分のカルチャーへの愛もすっかり再燃していることに今気づいてびっくりしたりしている。世界が大変であればあるこそ、面白いコンテンツが生み出されるのはこの世の摂理。だからその循環の中に身をまかせながら、カルチャーから受け取ったメッセージをしっかりパワーにして人生に立ち向かっていきたい。
2021年もよろしくお願いします!!
*1:50位、仲野太賀。びっくりするくらい太賀さんを観た一年だった。ほんとびっくりした。映画では『静かな雨』『生きちゃった』『泣く子はいねぇが』、ドラマでは『この恋あたためますか』『あのコの夢を見たんです。』など、すべてを挙げるのも困難なほど活躍していた。彼の存在感はやはり主演に向いている。『ゆとりですがなにか』の山岸が好きなので、これからもクズ男と優男の間を行き来してほしいところ。ずっと大好きな俳優。
*2:49位、「高円寺チャンネル」。“エンジ”在住のお笑い好きかつ、マヂラブ村上さんを通算5回くらい、刺身さんと鬼越酒井さんを1回ずつ街で見かけているので、見ないわけにはいかないYouTubeチャンネル。全動画見ている。
*3:48位、ALTSLUM。フリーライターの高島鈴さんの文章が好きで追っていたらワニウエイブさんとという方と素晴らしいWebサイトを立ち上げていた。CHAT! CHAT! CHAT!では、(毎度結論を出す必要はないと思うのだけど、)コミュニケーションによる思考の回路が可視化されていて楽しい。
*4:47位、『売野機子短編劇場』。下記サイトのインタビューを読んでから売野機子さんのマンガに興味を持ち、『ルポルタージュ』を読んでみた。好きすぎた。まじで好きすぎた。恋愛は哲学だーー。そして今年発売された短編集もとてもよかったです。「ロボット・シティ・オーフェンズ」「神さまの恋」あたりが好き。https://www.cinra.net/interview/202012-urinokiko_kngsh
*5:43位、『(死なない)憂国』。三島由紀夫の『憂国』は未読。東出昌大の本気を観た。
*6:32位、東海オンエア。正直ここ1年くらいずっと観るのを忘れていて、12月に入って久しぶりに観たら変わらずに面白くてびっくりしたのでした。動画一覧の再生回数を眺めてみると、ほぼ毎日投稿にも関わらずアベレージで200万再生というバケモノぶり。芸能人が多数参入して視聴者を取られるYouTuberも多いなか、東海オンエアだけは(本当に東海オンエアだけ)その特別な位置を確立している。2020年こそ評価すべきであろうと思いここにランクイン。
*7:27位、『キングオブコント2020』。個人的にはニッポンの社長と出会えたのがめちゃくちゃうれしかった。彼女が大好きなのでいずれ出会えていたと思うけど。彼らのネタについてはいつかブログに書きたい。
*8:26位、『不要不急の銀河』。コロナ禍の傑作ドラマ。コロナによって多大な影響を受けたエンタメ業界と夜の街関連の業界の苦悩と再生を前半でドキュメンタリーとして描き、後半は又吉直樹脚本によるスナックを舞台にした家族と青春にまつわるドラマが展開されていく。前半で実在のスナックのママが発する言葉の一つひとつが、後半のドラマを観るなかで心に染み込んでいく感覚があって構成として素晴らしいし、あられもなく光り輝く飲み屋やカルチャーの存在の愛おしさに涙してしまう。
*9:25位、『GLINTS』。ことしの夏はさとうもかの音楽とともにあった。
*10:24位、『テレビ千鳥』。人生ゲームで遊びたいんじゃ‼︎とかもう一度観たい。ゴールデンに進出してもまったく変わらない雰囲気が狂ってて最高。
*11:23位、「THE FIRST TAKE」。バケモノ番組の誕生。このYUIの復活に興奮し散らかした。これも大好きで何回も見てる→Creepy Nuts - 生業 / THE FIRST TAKE - YouTube
*12:22位、私立恵比寿中学。今年は本当にエビ中に助けられた。コロナ外出自粛中に出会い、一瞬ではまり倒してしまったアイドル。彼女たちはコロナ禍でも精力的に活動してくれていて、生きる支えになりました。昨年のファミえんのDVDも買ったし、オンラインライブもめっちゃ見てる。彼女たちの歌声はデトックス効果が抜群で、確実にコロナに効く。
*13:18位、『Nizi Project』。先日のMステでミイヒを含めたメンバー全員でのNiziUのパフォーマンスを観たとき、(観たかったのはこれだよ!)と唸った。足りなかったピースがやっとハマり、ついに動き出したNiziUの今後が楽しみ。
*14:17位、フワちゃん。クイックジャパンウェブで半年間くらい彼女の連載の構成を担当させてもらえたのは、とてもありがたく楽しかったです。フワちゃんはいつも、「小さな幸せこそを大事にしていきたいし、それを自分でも作り出すために頑張っている」というようなことを言っている。それって僕が好きな坂元裕二脚本のドラマとかにも通じるような、人生の生きる指針になっていることだし、それを極限にポップなタレント性で証明し続けているフワちゃんの姿は素晴らしいとしか言いようがない。毎回楽しい仕事だったな。
*15:16位、『女の園の星』。ともかくギャグセンが高くて、ケタケタ笑いながら登場人物たちの生態に興味を引かれながら一気に読んだ。
*16:14位、『今が、オールタイムベスト』。役者の個性がぶっ飛んでいた。玉田さんは映画の『僕の好きな女の子』もよかったけど、本作にも奈緒さんが出演していていい味出してたな。俳優たちが繰り出すアグレッシブな言葉とめまぐるしく変わる表情に何度も不意を突かれながら、どこまでいっても悪目立ちする“個”が、ときおり連鎖的なつながりを見せる瞬間にハッとしたりする。テニスコートの神谷さんに惚れたので、コントを観に行かなければ。
*17:13位、『M-1グランプリ2020』。真空ジェシカ、キュウのネタをしっかり観れたのがことしの大きな収穫だった。来年はたくさんライブで彼らを観たい。優勝は文句なしでマヂカルラブリー。かっこよかった。アナザーストーリーの野田さんには泣けるよな。
*18:12位、森七菜。2018年の野木亜紀子脚本ドラマ『獣になれない私たち』で、田中圭のお母さん役の学生時代を演じている彼女を観たとき、こりゃすげえわと思って確実に売れると期待していた森七菜が、そのときの素朴さ、突出した原石感を残したままここまで登りつめた。唯一無二の清爽な声をしていて歌声にも聴き惚れる。
*19:10位、『破局』。刺激的な読書体験。主人公の思考が鮮明に描かれすぎていて吐き気がするくらい気持ち悪かったけど、ところどころ共感の余地もあるし、同世代を捉えた作品としてこれほど解像度の高いものはないなと思いながら夢中になって読んだ一作。セリフの長さに頭がグワングワンする。
*20:9位、『A子さんの恋人』。10月についに完結したA子さん。一緒に生きていく方法をふたりで考えましょう、と手紙を送るA君とそれを手渡すA太郎の決心に泣いた。また最初から読み返したい。
*21:8位、『二重のまち/交代地のうたを編む』。2月に都写美の恵比寿映像祭で観たドキュメンタリー映画。東日本大震災の当事者でない人々が、被災者との対話を繰り返しながらその体験を「語り直す」までを追った作品。わたしたちは言葉にするときいつも何かを取りこぼしてしまうけれど、それでも語り直そうとするその意思こそが空白のなかを生きる唯一の手段なのではないかと考えさせられる。
*22:7位、『甘いお酒でうがい』。黒木華演じる主人公の同僚みたいな人がずっと幸せに生きていてさえくれればいいし、僕はそのために精魂を尽くしたいと思ったりした映画。
*23:6位、架空OL日記。「月曜日の憂鬱マイレージが貯まったらタヒチのボラボラ島に旅行へ行こう」という言葉こそがこの世の真実だと思う。
*24:5位、『星の子』。「それひと口ちょうだい」と言って水を飲み、「まずっ」と続けたなべちゃんの歩み寄り方こそがコミュニケーションにとって必要なことだ。
*25:4位、ニューヨーク。コロナ外出自粛中にどれだけ彼らの動画を見たんだろう。ほぼ毎日Zoomで配信をやってる印象が残っていて、とても救いになっていた。聞き役のうまさが傑出した最高の動画を貼っつけときました。
*26:3位、『推し、燃ゆ』。表現のなめらかさに骨抜きにされた。
*27:2位、『17.3 about a sex』。エンタメとユーモアで性の複雑さを包み込んだドラマ。見たほうがいいかもな、と1ミリでも思う人は何を置いても見たほうがいい。
*28:1位、『はちどり』。映画ベストと同じく今年ベストカルチャーはこちら。主人公・ウニの地団駄ダンスや母親を呼び止めて無視される場面などが頭から離れない。