縞馬は青い

縞馬は青い

映画とかドラマとか、好きなもの

ポップカルチャーをむさぼり食らう(2019年12月号)

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『ビート・パー・MIZU』のヒロイン・石川瑠華さん

年末年始の省エネモード発動〜! ゆるい感じで書いていきますよ〜。ってな感じで4月からつけはじめたカルチャー日記もなんとか飽きずに続けてこれて、今年は以前よりも多様なカルチャーに触れることができたように思う。というのは嘘で、結局今年は徹頭徹尾「映画」の1年だった。一応、公の場で映画の文章を書けるようになりたい、と思って上京してきているから、まぁ当然の成り行きではあるし満足しているのだけど、もっともっと映画以外にも「おもしろいもの」に接していきたいという思いがあるのです。誰よりもミーハーな好奇心旺盛マンなので。「以前よりも多様なカルチャーに触れることができた」と2020年の年末には言っていたい。多様なカルチャーとは言ってもまずは漫画・小説を含む「本」かな。近ごろ、文章力・語彙力・知識の限界を感じることが多いから、おもしろいものに接したいという欲以上に、やらなければいけない喫緊の課題としてこれは挙げられます。あとやっぱり映画はもっと観る必要があって、ちょっと新作鑑賞を抑えて旧作を掘りまくる時期が来ているように感じる。観たい映画は山ほどあるし、新宿のTSUTAYAなんかにはなんでも置いてるっぽいし、幸いなことに環境は整っているのだ。毎月ひとり監督を設定して観ていこうかな。演劇は年10本強ペースでいい感じで、ドラマは毎週追うのがしんどくなってきてるから毎クール2、3作で充分。ライブは行きたいときに行く。時間を無駄にしたくないしあんまり観たくないなと思ってたYouTubeは仕事としては求められる部分もあるかもしれなくてそれなりに観なきゃいけない。おもしろすぎて逃れられないんだよなYouTubeって。でも逃すことができないカルチャーなのは確か。がんばってメリハリつけて観ていこう。ぬるりと書き連ねた2020年のカルチャー抱負、以上。お金と時間が足りないぜ。

 

何のために悲しい物語はあるのか

なんか12月に観た映画はしんどい(辛い)映画が多かった。たまたまなのか、無意識に選んでいたのか。辛いとは思いながらも映画的に観てすべて高水準のおもしろいものばかりだった。例えば早稲田松竹で観た『悲しみは空の彼方に』(ダグラス・サーク監督)。今から60年前公開のこのアメリカ映画では、女性4人の10年間を描くことで人種差別・性差別・親子の確執などなど多くの社会問題を浮き彫りにしていた。12月13日公開ケン・ローチ監督の『家族を想うとき』では、イギリスの地方都市に住む(経済的には普通かちょっと普通以下くらいの)家族のスパイラル的に転落していく日常が描かれている。実家に帰ってまでなんか今年中に観ておいたほうがいいと思って2時間かけて観に行った『象は静かに座っている』。これも4時間というあまりにも長い時間をかけて、中国の田舎に暮らす先の見えない人々のしんどすぎる日々が群像劇で語られていた(製作中に29歳で自死してしまったフー・ボー監督の処女作であり遺作)。アップリンク吉祥寺でやってくれた『ワンダーウォール』(ドラマ)や「今年見逃した映画枠」で年末にレンタルして観た『幸福なラザロ』(伊/アリーチェ・ロルヴァケル)『魂のゆくえ』(米/ポール・シュレイダー)といった映画も、あまり未来が見えないような辛い結末を迎える。

これらはどれも、「それでもなんとか生きていく」とはなかなか言いづらい、しんどい映画ばかりだ。それぞれの映画を観たときは映画的なすばらしさ(辛い日々を描きながらも何故だか目を逸らせない吸引力、映画的快感)にしか目がいってなかったけど、実家に帰って自分の家族や社会を見渡してみると、「確かに世界はそういうふうに救いようがないくらいしんどくなっている」と思うことが多く、それらの映画が生まれた意味をようやく認識できた。でも生まれた背景は痛いほどわかるけど、カルチャーとして存在する意味はどこにあるのだろうか。年末年始で坂元裕二の傑作と名高い『それでも、生きてゆく』を観ている。(まだちゃんと観てなかったんですよね…。)「なぜこんなに悲しい物語があるのか」。劇中で発せられるその言葉を反芻する日々だ。カルチャーを摂取し続けること、そしてそれらについて書くことに意味はあるのかとすら思う日々を過ごしているけど、『それでも〜』を観たあとに何かしらの答えのようなものが出るんじゃないかと思ってる。FODの1か月無料登録の期間中に『最高の離婚』と『問題のあるレストラン』も観たいぞ〜。2020年の大期待映画『花束みたいな恋をした』(坂元裕二脚本)に向けて。

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眉村ちあきのライブはすごい

はなしかわって、今月とくに書いておきたいのは眉村ちあきの単独ライブに行ったこと。その前に唐突ですが、『今気になる女の子ベスト』を記します。女優・アイドルを問わず、好きだな〜活躍しそうだな〜って思うだいたい25歳以下くらいの女の子、っていうゆるゆるの基準で(笑)。

今もっとも好きな女優である三浦透子は紅白で観られてとてもうれしかった。あの貫禄でまだ23歳とはほんとうに恐ろしい。とりあえず『架空OL日記』の劇場版が楽しみっすね。インディーズ映画の登竜門的イベントである「MOOSIC LAB」で(2本+短編2本しか観てないけど)一番おもしろいと思った『ビート・パー・MIZU』、その主演の石川瑠華もよかったな〜。今年『左様なら』という映画でもちょっとヒールな演技を観て印象に残っていたけど、本作のめちゃくちゃポップな役回りも板についていた。17歳でその類まれなる演技力を示しまくっている南沙良。2019年は言うほど映画やテレビで見る機会はなかったので今年は期待したい。『もみの家』(坂本欣弘監督)『ピンぼけの家族』(NHK)という絶対おもしろいだろう作品が待機しています。18歳の森七菜は言わずもがなな活躍ぶり。けもなれで田中圭の母親の独身時代を演じていたのが心に残っている彼女は、今年一発目に岩井俊二の『ラストレター』が控えている。松竹史桜は『若さと馬鹿さ』で初めて認識したけど思い返してみると「ほりぶん」の演劇にも出ていた。1月は「ナカゴー」の演劇にも出るので楽しみ。彼女の独特な空気感が好き。ハタチ周辺の松本穂香恒松祐里箭内夢菜、中田青渚、関水渚は引き続き見守っていきたいお人たち。ハロプロではモーニング娘15期生の初々しさに激惚れしていて、『ひなあい』では上村ひなのさんの天才的所作から目が離せずにいる。

ということで眉村ちあき。夏ごろから妙に惹かれていた彼女のライブにようやく行くことができた。結論から言うとめちゃくちゃ良かった。なんでこんなに心が引きつけられているのか、それが実はあんまりよくわからないんだけど(歌がうまい、それだけで十分好きになる要素ではあります)、ライブを観てさらに好きになったのは彼女の発言の突拍子のなさ。突拍子がなく、それでいて全人類を肯定してくれるような温かさが彼女の言葉には宿っているのだ。

これに関してはもうね、理屈じゃないんだよね…。眉村ちあきのライブは現状、動画・写真撮影OKなので、YouTubeに上がってくるライブ映像をこれからも追っていきたいな〜。

12月のビッグニュースとして最後に。12月25日発売の『QuickJapan VOL.147』にて「YouTube on the border 2019」という特別企画の文・構成を担当しました。霜降り明星やカジサック、オリラジあっちゃんといった芸能人がYouTubeに進出する昨今において、その企画内容を考えている放送作家さんというのも当然のようにいます。それはテレビバラエティで活躍する放送作家さんがやっているのが基本で、今回は最前線で暗躍する4人の作家さんが集結し、2019年のYouTubeシーンを振り返りました。内容もりもりの座談会記事になっています。YouTubeについてある程度詳しい気でいたけど、紹介される7割くらいが観たことがないYouTuberだったり思わず肘を打つ発言のオンパレードだったりしたので、とにかく必見でございます! クイック・ジャパンは高校生の時から読んでいた雑誌だし、総合カルチャー誌としてこれ以上のものはないと思うので、そこで書けたことがめちゃくちゃうれしい。読み返してみると粗が気になってしまうけど、もっといい文章書きたいな〜と励みにもなりました。これからもコツコツがんばっていこう。

〈2020年1月絶対観るものリスト(おもに積読)〉朝井リョウ『どうしても生きてる』、ヤマシタトモコ『違国日記』1〜3巻、岩明均ヒストリエ』11巻、田島列島『水は海に向かって流れている』2巻、オカヤイヅミ『ものするひと』3巻、CSで録画したハル・ハートリー監督作品、坂元裕二最高の離婚』『問題のあるレストラン』、タナダユキ監督作品