縞馬は青い

縞馬は青い

映画とかドラマとか、好きなもの

先週食べたカルチャー(20年7月3〜4週目)

先週あたりに観た映画、ドラマ、バラエティなどの記録。気づいたら最近またテレビ番組をよく観るようになったなぁと思うのだけど、これはテレビの面白さが再燃してきてるのか、ただ単に僕がここ1年くらい全然観てなくてテレビはずっと面白かったのか、どっちなんでしょうか。まぁどっちもなんだろうけど。ちょっと前までは千鳥の番組しか観てなかったのに、『あちこちオードリー』『ゴッドタン』『アメトーーク』『爆笑問題のシンパイ賞』『くりぃむナンチャラ』『霜降りバラエティ』あたりを欠かさず観るようになってる(こんなにTverで観れるんだぁという驚きがあって、YouTubeなど観ている暇がなくなった) 。BS日テレの漫画紹介番組『あの子は漫画を読まない。』もけっこう好き。僕がテレビを再び観だしたのはてれびのスキマさんの毎日連載記事の影響もかなり大きい(言うまでもなくこのエントリーはその影響下にある)。「面白いよ!」と誰かに言われたものから逃れられないサガなのだ。

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ちょっと間が空いてしまったけどABCお笑いグランプリはAbemaでリアルタイム視聴していた。関西に住んでいたときはたぶん一度も観たことがなかったのにここにきて初めて観ることになるってことは、僕のお笑い好きのピークが来ているのかもしれない。だからバラエティ番組もよく観るようになったんだろうけど。今さらながら毎年こんな異種格闘技戦が繰り広げられていたとは。すべて振り返っても、Cブロックが実質決勝戦くらいに白熱していたなぁと個人的には思う。特にフタリシズカの1本目ね。他のネタもYouTubeで観たりしたけど、中盤すぎの爆発力が半端ないんだよな〜。それも身体的な特技を活かしている爆発だから、なんの小細工もなしに笑えてしまう。あとはオズワルドの決勝のネタも最高だった。いろいろ技巧的にも凄いところがあるんでしょうが、伊藤の最初のほうの「逆!?」「詳しく聞かせてくれよ」の二言を2回ずつ繰り返すだけで徐々にギアを上げていく感じ、まあうますぎて惚れちゃう。

石原さとみさん主演の『アンサング・シンデレラ』第1話を観た。脚本は『グランメゾン東京』の黒岩勉さん。さいきんのドラマは1話目だけ観て離脱してしまうことがほとんどなのだけど、これはすごく面白かった。病院薬剤師という、その名のとおり病院内にある薬剤部の薬剤師たちにスポットを当てた医療ドラマで、特徴的なのは主要キャストの7、8割くらいが女性であるところ。ゲスト俳優もだいたい女性で、このドラマがいかに社会で働く女性やシングルマザーに焦点を当てようとしているかがわかる。しかもそのフェミニズム的語り口がそんなにクドくなくて無理がないのがいい。「女性だから舐められているんだろうな」と明らかにわかるような石原さとみが窮地に追い込まれるシーン、そこで凡百のドラマであればスーパーウーマンがひとり登場して『スカッとジャパン』みたいな逆転展開を見せるのだろうけど、それで解決すれば無理はないでしょう。でもそんなのいまの社会では悲しいことにあまり現実的ではない。それがこのドラマでは外堀から攻めていくというか、まわりの登場人物(主に女性)たちのゆるやかな連帯によって主人公が助けられていく様が描かれていくのが気持ちいい。第2話はまさかの第1話とほぼ同じ感じのタイムリミットサスペンス的な展開を繰り返してしまっていたのでちょっとガックリしたけど、徐々に桜井ユキさんや田中圭さんあたりのキャラクターが見えてきて相変わらず面白かった。毎回クライマックスで急に石原さとみが説教くさくなる(脚本家の顔が透けて見えてしまう)のだけはちょっと引いてみてしまうものの、テンポ感もいいしキャストもいいし、とりあえず継続視聴すると思う。

『MIU404』がやっぱりずっとすごいことをしている。第4話では社会的弱者である女性を、第5話では外国人労働者の苦悩を真正面から描いてみせていた。第2話までは主人公のふたり(星野源綾野剛)の演技にあまり入り込めなかったものの、案外このふたりのキャラクターの希薄さこそが、社会問題をドラマチックに語りすぎずまっすぐに見つめることへと役立っているのかもしれないなぁと思う。真逆のふたりがバディを組むという凸凹コンビは言うなれば2人を1人に描いているようなものだから、その完全と不完全の狭間にたたずむ(本作が描く)圧倒的な闇テーマに意識を運びやすいのだろう。すべての問題は見ようとすれば見えるけれど、逆にいえば見ようと決心しなければ一生見えない。そこに確かに存在するマイノリティの存在について「意識するかどうか」をただひたすらに問うてくるドラマだ。

試写で観てめっちゃよかった映画について2本連続で。俳優としても活躍するジョナ・ヒルが監督を務めた『mid90s ミッドナインティーズ』(9/4公開)がとーっても面白かった。90年代半ばのLAを舞台に、13歳の主人公の少年がちょっとガラの悪いスケボー友だちと交流していく話。

またしても今年何本目かの子ども映画の傑作が現れてしまった。今年面白かった映画はぜんぶ「子どもが良かった」となりそうなくらい印象的な映画が多い。お兄ちゃん役のルーカス・ヘッジズもかわいかった。

渡辺大知×奈緒『僕の好きな女の子』(8/14公開)をオンライン試写で見させていただき、「大好き!!」となっている。又吉原作の映画化で、監督・脚本は劇団・玉田企画の玉田真也。(玉田さんのさいきんの活躍が案外すさまじいのだよな…。)言ってしまえば『愛がなんだ』の男女逆転版みたいな純粋な片想い映画なのだけど、僕はこの映画の「好きという感情が立ち上がる瞬間を詰め込んだような圧倒的な瑞々しさ」に心を射抜かれてしまった。その前半の微笑ましさと、玉田企画らしさであり又吉作品らしさでもある人間関係の悲哀が現れた後半のバランス感覚。個人的にも共感できることばかりで、これは刺さる人には刺さるじゃないかなと期待している。玉田企画常連キャストに加え、萩原みのり、徳永えり、仲野大賀、朝倉あきジャルジャルあたりの邦画好きホイホイ俳優が多数出演しているのにも注目です(ほとんどがチョイ役だけど)。公開されたらレビュー書く。(『あなたの番です』をちゃんと観てなかったのでヒロインの奈緒さんに一発で惚れてしまったのだけど、くだんのサイコパス役がしみつきすぎて集中できないという感想もみました…。でもめっちゃかわいく撮られてる。)

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その玉田さんが脚本を務める(オリジナルストーリー)BSテレ東のドラマ『40万キロかなたの恋』も第1話が放送開始となっていたのでTverで観てみた。千葉雄大演じる宇宙飛行士の高村宗一が主人公。彼はある理由から人間関係を閉ざしてしまっていて、宇宙船でAIのユリ(声・吉岡里帆)と生活するほうが楽しいと思っている。そこに元恋人の咲子(門脇麦)が彼に密着取材するテレビディレクターとして現れ、三角関係みたいになっていく話らしい。withコロナの時代に合った三密を避けた撮影体制のなかでのアイデア企画という感じではあるものの、宇宙船で起こるさまざまなハプニングやAIの存在が数多のSF映画を想起させる作りになっていて面白い。声だけなのに吉岡里帆がちょっと無機質な(『カルテット』のありすのような…)怖さがあってめっちゃ適役…。全4話なので続けて観てみようと思う。

工藤遥さん主演の青春映画『のぼる小寺さん』。評判がよかったのと、キラキラ以外の青春映画はぜんぶ観なけりゃいけないという強迫観念により観賞した。前評判で聞いていたとおり、『桐島、部活やめるってよ』の“あるひとりの人物を取り巻く群像劇感”と、『町田くんの世界』みたいな主人公の驚異の純粋さ、ポストスクールカースト的なテイストのうえに形成された映画。ボルダリング部に所属し将来はクライマーになりたい圧倒的聖人キャラの小寺さんを中心に置き、まわりの人物が彼女に影響されてよい方向に変わっていくという、すごく安心して観れるほっこり作品ですね。前述の類似2作品が僕はオールタイムベスト級に好きだから、比べてしまうと正直ストーリーは薄いなぁと思ってしまった。でも、一生懸命なにかに取り組むこと、人を見つめることを全肯定するモチーフは大好きだし、こういう青春映画、マイナースポーツを扱った映画はいくらあってもいいと思う。何よりも工藤遥さんの演技というか佇まいが最高に“小寺さん”を形作っていて、すっかり魅了されてしまった。モー娘オタクだからそこは素直にすんごくうれしい。もっといろんな作品で観たい。

NHKで放送されたドラマ&ドキュメンタリー作品『不要不急の銀河』はドラマ好き・街の飲み屋好きは必見だと思う(NHKプラスではまだ観れる。再放送もありそう)。コロナによって多大な影響を受けたエンタメ業界と夜の街関連の業界の苦悩と再生を前半でドキュメンタリーとして描き、後半は又吉直樹脚本によるスナックを舞台にした家族と青春にまつわるドラマが展開されていく。前半で実在のスナックのママが発する言葉一つひとつが、後半のドラマを観るなかで心に染み込んでいく感覚があって構成としても素晴らしいし、そのあられもなく光り輝く存在の愛おしさに涙してしまう。飲み屋にはまだ頻繁には行けないけど、ずっと心の片隅で想っています。

ドラマ&ドキュメント「不要不急の銀河」 - NHK

渋谷のヨシモト∞ホールへネタライブを観にいった。7/24に行われた『PREMIUM∞NETA LIVE ONLINE』というやつ。出演していたのは、さや香、金属バット、蛙亭、ななまがり、コロチキ、ニューヨーク、コマンダンテなどなど計11組。実はお笑いライブというものに初めて行ったもんだから、1時間(だいたい4分ネタ×11)に凝縮されたお笑いの濃度に軽く溺れそうになった。こんなに面白いのかよ。間違いなくクセになってしまう。やばい。劇場なのに床に笑い転げそうになってしまう瞬間がいくつもあって、出演していたすべての芸人を愛でた。劇場は前方は3列くらい空席にしていて、それ以降も2席空けで座席を配置していたり(使っていたのは全体の1/3席くらいでしょうか)、コロナ対策はしっかりしてたと思う。ほんとにどのコンビも面白かったんだけど、ニューヨークと蛙亭には改めて惚れ込んでしまい、ななまがりの異次元の面白さにはこの日いちばん度肝を抜かれた。いいな〜もっと観たいな〜。

そのニューヨークの魅力が大爆発していた『くりぃむナンチャラ』先週と今週の回が素晴らしく面白かった。アイドルの大喜利番組を撮るというニセの企画にMCとして呼ばれるニューヨーク。アイドルにはくりぃむの2人とかまいたち山内が“座付き作家”として付いていて、イヤホン越しに逐一行動を指示していく。そしてその暴走にニューヨークが困惑していくという流れ。もとより僕は『アイドリング!!!』内の「バカリズムは誰だ⁉︎」というコーナーとか、ひなあい宮崎ロケの若林がメンバーに指令を出していくやつとかが無性に大好きなので、その暴走だけでも観てられるのだけど。今回はそこにツッコミ役としてニューヨークが加わっているから、番組の盛り上がりとふたりの手応えが反比例していく様にめっちゃ笑った。ニューヨークが出ているバラエティはできるだけぜんぶ追いたくなっている。

3回目の特番放送となった『あざとくて何が悪いの?』もとてもよかった。秋から『テレビ千鳥』『シンパイ賞』とともにゴールデンのレギュラー進出が決まっている番組。再現ドラマを観てスタジオメンバーがあれこれ言う(2回目の登場『スカッとジャパン』みたいな)番組ってなぜだかすごく嫌悪感があるのだけど、この番組は語る人が全員当事者であるといいますか、あざとキャラの第一線をいく人たちがスタジオメンバーを固めているのがとてもいいと思う。なんというか「批判」の言葉がなくて、ぜんぶ愛らしさに転換されていくんだよな。途中から気づいたけどIndigo la Endとか羊文学とか、J-Rockナンバーを随所で5秒ずつくらい挟み込む感じ、この番組のプロデューサーもこの番組自体も相当あざといなぁと思う(余談、『40万キロかなたの恋』のオープニングにもなってるIndigoの「夜漁り」とてもいい)。あと松本まりかさんのインスタライブは3、4回観たことがあるけど、ほんとやばいよね。あざといとかいうレベルではない。

 

今週食べたいカルチャー

『君が世界のはじまり』7月31日公開。ふくだももこ監督の前作『おいしい家族』が惜しくも観れてないのだけど、松本穂香、中田青渚あたりの俳優陣に惹かれている青春映画。同じく青春映画『アルプススタンドのはしの方』も評判がいいので観にいく。

クレールの膝ロメールの映画が東京都写真美術館で2回だけかかるみたいなので、絶対に行かなければ。ど平日だけども。