縞馬は青い

縞馬は青い

映画とかドラマとか、好きなもの

先週食べたカルチャー(20年6月2〜3週目あたり)

ポップカルチャーをむさぼり食らう」というエントリーを1年以上、毎月やってきたのだけど、1か月のことを一度に振り返ることの難しさを感じつつあったので週一に変えようと思う。先週観て印象的だった映画、テレビ、ラジオ、雑誌、YouTubeの記録。

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結局当初の目標金額である1億円を早々に突破して3億円以上が集まったミニシアター・エイド基金。その支援者へのリターンである“サンクスシアター”がついに解禁されて、1発目に濱口竜介監督の『何食わぬ顔』を観た。2002年、東京大学在学中に撮られた8mm映画はなんでこうなるのか分からないくらい画質が悪いけど(フィルムだからだよね)、もうすでにハマグチ映画成分たっぷりで面白い。紛失、遅刻、欠員、疾走、到着……電車を起点としたそれらの動きと時おり発動する滑らかな会話劇。そして、「何と言ってもあそこがすごい…」っていうシーンがある。‪ヒロインの声が齊藤京子さんみたいなのと、出演もしてる濱口監督がかっこよくてバカっぽくて最高。‬

外出自粛明け1発目の映画館鑑賞に選んだのはジム・ジャームッシュ『パターソン』。『デッド・ドント・ダイ』の公開記念としてアップリンク吉祥寺で上映されてました*1。3ヶ月ぶりの映画館。久しぶりに観たら見方がガラッと変わってるアレを体感できたし、生活を取り戻し始めるにはぴったりな映画だった。アダム・ドライバーってほんとすごいよな。あんなに特徴的な身体をしてるのに、どこまでも普遍的に役になりきれるし、それでいて唯一無二の存在感がある。

6月12日、アンジュルムが2018年にやったコンサートツアー「十人十色」の武道館公演がYouTubeで生配信されていた。改めてメンバーの入れ替わりの激しさに驚きながら、10人が順々に入れ替わるメドレーの層の厚さに感服。今の8人+太田遥香さんの画はどうしても弱くなってしまう気が一瞬するものの、やっぱりアンジュルムは常に最高を更新し続けているなと感じる。新曲の「限りあるMoment」も時制を捉えていてさすが。

アメトーーク』の「バラエティ観るの大好き芸人」がまじで途中泣きそうになるくらい熱かった。『あちこちオードリー』、『有吉の壁』、『霜降りバラエティ』あたりはちゃんと観たいなと思う。QJWebでのてれびのスキマさんの連載もいい(お分かりのとおり今回のブログは多分に影響を受けています)。

「『アメトーーク!』のヤバい瞬間って、台本にないところをしゃべるとき。手震えるじゃないですか。怖いし、ホントは黙ってたい。でも言わなきゃって出た瞬間がおもしろいじゃないですか」と徳井が言っていたが、まさに今回の「バラエティ観るの大好き芸人」はその連続。出演者たちの言わなきゃ!言いたい!という気持ちがあふれ出ていておもしろかった*2

『しもふりチューブ』から神動画が誕生。粗品が52万を賭けた安田記念せいやがその記憶力と身体をめいいっぱい使って完全再現するという狂った企画(笑)*3。言っても動画のタイトルだけではあまりピンとこないのだけど、これが半端なく面白い。これで肺が潰れて死にそうになってるせいやは、このあとのあの伝説ラジオのときは完全にギア2いってたんだなと思う。

3か月以上ぶりのTOHOシネマズ(山崎紘菜さんに感動!!)で、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語を。3月に試写で観ていたので実は2回目の鑑賞。シネコンで映画を観れる幸せ、映画の美しさ、観客のいい反応……これ以上ない映画体験でしたね。いつまでも三女のベスに想いを馳せてしまう。

『ラランドの化けの皮』。ラランドがTBSラジオではじめての冠特番。のびのびしてる〜〜というのが一番の印象。大竹まことのラジオにゲスト出演していたやつも堂々としてたから、これはどこに行っても通用するなと思いながら、『ラランドの声溜めラジオ』もずっと続けてほしいなぁと思う。

『オズワルドのおずWORLD』にて、伊藤と蛙亭・岩倉、森本サイダーがシェアハウスをするにあたり、同居人をひとり募集する公開オーディションを開催*4。ひと月前くらいにオズワルド畠中が同様に同居人を募集した際に、惜しくも落ちてしまった岩倉、森本サイダー。その様子を見て「この2人と家族になりたいと思った」伊藤によって開催された、終始謎であり面白な企画だった(3人が同期っていうのがめっちゃいいよなぁ)。4人分のコップを用意していた岩倉さんに思わず「かわいー!」と伊藤。それに呼応して参加者のひとりであるランジャタイ国崎が巨人師匠を4体用意しているという奇跡に腹抱えて笑った。それを観て引いちゃうサツマカワRPGも最高。ニューヨークの「女性スタッフオーディション」とか、霜降りの「桑子マネージャーの彼氏募集オーディション」とかもあるし、芸人YouTubeのオーディション企画はハズレがない。

蛙亭とラランド、ヒコロヒーが出演した『ゴッドタン』新世代男女芸人SP。“ヒコロヒーとみなみかわ”のネタを初めて見てしっかり惚れてしまった。これは『POP LIFE: The Podcast(相変わらず毎週面白い)#071で紹介されていた『軽い男じゃないのよ』に通じる男女逆転型のどぎつい社会風刺なのだろうけど、「これからわたしが“男芸人みたいな女芸人”やりますから、あなた“女芸人みたいな男芸人”やってください」というフリが一瞬の混乱を誘っていて素晴らしい。単純な男女逆転ではなく、あくまでも両方が混じり合っているというか、女性のまま男性を、男性のまま女性の精神を体現しようとする様に心を射抜かれてしまうのだ*5

CREA』6・7月号の「偏愛のすすめ。」特集がめちゃくちゃいい雑誌! 今泉監督が好きな恋愛映画、ハライチ岩井の10の偏愛、川谷絵音のパーカー、テレ東佐久間Pの偏愛エンタメ(シベリア少女鉄道と劇団あはひめっちゃ観てみたい)、かが屋・加賀の偏愛ポートレート、ヒコさんの俳優から選ぶドラマ紹介と、まぁ盛りだくさんな内容。WebではCREA編集者が自粛期間中にハマったお笑いカルチャーについてのトークを繰り広げていて、これまためっちゃ面白かった。人が好きなカルチャーの話をしてるの、なんでこんなに好きなんだろう。影響をしっかり受けたので、今度会社にいるお笑い好きの同僚たちと同じことやってみようと思う*6

『相席食堂』かまいたち山内となかやまきんに君が自信が出演した回の反省をするというめちゃくちゃな地獄回(笑)。『テレビ千鳥』の「Lemon反省会」もそうだけど、反省だけで面白くできるバラエティと芸人は強いな。YouTube等では「相席食堂は自分の格を落とした番組」と批判していた山内だが、終始、濱家の必要性と自信の空回りに言及していて笑ってしまう。なかやまきんに君の「ボディビルダーのなかでは喋れる方だと思ってほしい」という発言にも笑った。

『あちこちオードリー』かまいたちが出演。「いつまでたっても例えツッコミの題材が更新されない」という悩みで思いが合致する濱家と若林。奇しくもヒコロヒーとみなみかわの漫才の内容に通じてしまう部分はあるものの、オードリーふたりがずっとキン肉マンとBTTFで通してるのは愛おしいよな。ミーハーではないという苦しみを抱えながら、若林は若林らしさを貫いてほしいなと思う。濱家がいじられキャラから脱せるのかどうかはめちゃくちゃ微妙。関西のバラエティでもそんなに(千鳥とかと対比すると)カリスマ的な回しができる人だとは思ったことがなかった気がする…(笑)。最近のかまいたちYouTubeが視聴者のコメントによって盛り上がっているように、濱家は圧倒的な普通の人感、ただゲラな感じがいいのだ。

DVDをレンタルしてクドカン脚本の『ごめんね青春』をちまちま観ていて、ようやく最終回を観終えた。結局思ったよりハマらず…、テン年代のベスト青春ドラマはやっぱり『鈴木先生』かな…という気持ちに。「この年まで青春を引きずってしまった」という錦戸くんのセリフ、懺悔の物語という軸、男と女、神さまと仏さまの混交、どこまでもグレーな終わり方にはグッとくる。波瑠が満島ひかりの“姉”を演じていることに、その違和感のなさにびっくりした。満島ひかりがとてもいい。

6月20日霜降り明星オールナイトニッポン0』伝説回。しょうもないスキャンダルが、2時間の魂のお笑いによって遠く吹き飛んでしまった。自分自身はずっと聴いているリスナーではなかったので「ポケットいっぱいの秘密」のコーナーとかは知らなかったのだけど、そういうのを超えてくる圧倒的なエンターテインメントがあそこにはあった。大好きなアグネスで番組全体を包みながら、最近身につけた安田記念再現まで駆使してぶつかっていくラスボスバトル的展開。いいともの再現もエグかったし、副担任に降格した金八先生、早すぎる仁鶴師匠、ポケひみフランス語ver.のフリオチ、野党!!、ぐわんぐわんしながら後半は終始めっちゃ笑ってたと思う。霜降り明星はんぱねぇな。

『ぼる塾チャンネル』の「ぼる塾日光旅編」*7! ぼる塾がついに旅! 面白くないわけがない! 軽自動車の後部座席にすっぽり収まる田辺さんとあんり、テンション高すぎるはるちゃんの冒頭から最高で、旅館に到着してはしゃぐ姿も多幸感と爆笑の連続。ベッドに投げ出される田辺さんの映像、なんであんなに面白いんだ…。車内で明太フランスの話をしてて思い出したけど、最近ローソンの「マチノパン めんたいフランス」(150円)にハマり倒している。それはさておき、このホームビデオ感出せるのはぼる塾くらいだろうな。

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今週食べたいカルチャー

『はちどり』6月20日公開、1994年に生きるある中学生少女を描いた韓国の青春映画。試写で一回観てるけど、大傑作なのでもう一回観にいく。

『スイッチ』6月21日21時放送。坂元裕二脚本のテレビ朝日スペシャルドラマ。阿部サダヲ松たか子もさることながら、石橋静河岸井ゆきの井之脇海を坂元ドラマで観られる贅沢感を噛みしめたい。