縞馬は青い

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映画とか、好きなもの

陽の当たる場所へ/森下佳子『だから私は推しました』第3話

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「私はあの子のオタなの」。そう告白しながら、徐々に黄色く染まっていく愛。まるで、後ろで出番を控えるサニーサイドアップに共鳴するかのように、まるで彼女たちに照らされているかのように、悔しさを吐露しながらも愛は美しく光り輝いていく。どうして彼女たちが身の程をわきまえる必要があるのか。がんばってる子を応援することに、なぜ遠慮が必要なのか。自分の思いを告白し、文字通り一皮むけるまでのこのシークエンスに、心を掴まれずにはいられなかった。

愛が心のうちに秘めた感情に向き合う間に、サニーサイドアップという地下アイドルはその名が示す「陽の当たる場所」への一時的なステップアップを果たしている。というよりも、彼女たちがそこへ上がってきたからこそ、愛もすべてを投げ打つ決心がついたのかもしれない。彼女たちがめざすのは、サニーサイドで堂々とパフォーマンスをする未来。その第一歩を踏み出した愛とアイドルたちの姿が重なって描かれることで、ストーリーにも厚みが生まれ出す。そしてそれを共依存によるものとみなすのは、あまりにも短絡的なのだ。なぜなら、愛の建設的なアイデアによって動画配信の視聴者が増え、ハナの頑張りと彼女からもらったオタTが愛の決心を後押しするなど、お互いに自立することでいい影響を及ぼし合うという関係を私たちはしっかり見ていたから。桜井ユキさんが主演している『真っ赤な星』という映画があるのだけど、その作品でもまさしく自立する女性2人の姿が描かれていて、それはもう美しいとしか言いようのない光景だった。愛とハナを見て少なくとも僕は、この世で一番美しい関係性だと強く思うのだ。

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第1話でことごとく「否定したはずのものに導かれてきた」愛は、ここでもまた、オタクという言葉を受け入れることで違うステージに歩みを進めることになる。オタへの階段を登った愛がなぜ刑務所という絶望(?)の未来に向かうことになったのか。めっちゃ気になるわ〜〜*1

*1:ネットで服の値段を見て、「チェキ25枚分か」とチェキ計算してしまう感じ、、めっちゃわかるな。僕の場合は映画鑑賞料金が生活のベースになってる。。