縞馬は青い

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転生したら幸せになれますか?/森下佳子『だから私は推しました』第7話

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ついに訪れた“押す”瞬間。第7話でもこれまた不気味な「階段」 が頻出し、 迷宮のようなこの世界から抜け出せずにいる登場人物たちの苦悶する様が描かれる。

高校生活でいじめ/ いじめられていた塚本美花はサニーサイドアップのハナとして第二の人生を生き、ライブ会場から追い出された瓜田は、実はスイカちゃんとしてネットの世界に生き続けていた。 同じように遠藤愛は、他界(アイドル用語でオタクを辞めること) したかと思えば成仏できずに戻ってきて、 再びハナと手を取り合って推し/推しされる関係を再構築する。 しかし、その直後でグループは解散することを決めてしまい……。 一回死んで生き返るハナと、死んだようで死にきれない瓜田、愛。しかし本質的にはいずれも、なんとか別の世界でやり直そうと奮闘して、それでも不運が襲いかかってきてやり直せない人たち。 思えばこのドラマは、いいね競争から脱落したOLが、 地下アイドルの世界に居場所を見つけるところから始まっていた。居場所というのはどこにでもあるようで、 実はどこにもないような、辛い現実を見せつけてくる『 だから私は推しました』。

であるならば、「力を試してみたい」 と言ってサニサイからの卒業を決心する花梨や、それを止める小豆さんの心理も「生まれ変わりたい/ ここで生き続けてほしい」という風に“居場所” に根ざした行動原理だと説明がつく。罪深くも、みんな「 自分だけを見てくれる世界」を望んでしまうんだ。

居場所を求めて彷徨い続ける愛、ハナ、瓜田。 その三者が奇妙に交差することで起きてしまう、墜落事故( あるいは殺人未遂)。死にかけて生き延びる瓜田と、突き落とした愛(もしくはハナ?) が最後に辿りつく場所とはいったい。 こんなに苦しい物語でもやっぱりどうしたって思い出してしまうのは、第1話、前髪を切って涼やかに踊っていた、あのハナの神々しさだよな。