縞馬は青い

縞馬は青い

映画とか、好きなもの

好きな三浦透子を集めてみた

出ている俳優で映画を選んでいた時期が僕にもあった。北乃きい長澤まさみ吉高由里子が出ている映画を漁っていたのは中学生くらいの時だったろうか。本格的に映画を見るようになってからはだんだん監督で映画を選ぶようになってきて、好きな俳優が出演していても、なんとなくスルーしてしまうことが多くなったと思う。でも最近思い出した。好きな俳優が出ていれば話がおもしろくなくてもそれなりに楽しめるということを。役者が大好きで、ドラマとか映画を観ていた過去を思い出した。三浦透子さんは今いちばん好きな俳優。ときに艶やかな表情を、またあるときには勇ましい表情を見せる、百の顔を持った現代の名カメレオン俳優だと思ってる。出ている役者で作品を選んでいると、思わぬところで素敵な作品に出合うこともある。そのことを再認識させてくれた三浦透子さんの好きなやつを集めてみた。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310124432j:plain


月子

DVD化されてない作品を最初に持ってくるのもアレだけど、出会いはこの映画だったと思う。知的障がいを持った少女の役。個人的にはファーストコンタクトにしてベストアクトだと思っているほど印象的で、釘付けになってしまったことを覚えてる。三浦透子さんの良さは、彼女が持つ“かわいらしさ”と“ぶっきらぼう”な感じが作品ごとにうまく配合を変えてその役柄を演じているところにあると思う。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310122316j:image


架空OL日記

5人の銀行員の日常を描いた作品のなかで、彼女たちの後輩「かおりん」としてたまに登場した三浦さん。作品自体が最高で、バカリズムもほかの4人もよかったのだけど、なぜかかおりんに惹かれてたんだよな。たぶん最初は『月子』でみた女優と同じ人だとは気づいてなかったと思う。第6話で、出会いがないと言う先輩に知り合いのイケメンを紹介するといってかおりんが見せた写真のその人がかなりハゲていた、というエピソードがおもしろかった。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310123235j:image


水本さん


『水本さん』脚本 坂元裕二 監督 清水俊平(『雑談会議』)

 

実は坂元裕二作品にも出てる。東京芸大の学生たちが撮ったワンシチュエーション短編会話劇の一編として。幽霊役の水本さん(三浦透子)が執拗に同僚を死後の世界に誘うという坂元さんらしい可笑しくて変なやつ。幽霊と人間の間に差はないという会話からあらゆるものを肯定していくような坂元さんのおなじみの筆致に驚かされながら、仲のよかった同僚に避けられ、最終的に無理やり死後の世界に連れて行ってしまう水本さんの強引さが見どころ。坂元作品に出る三浦さんももっと見たいな。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310122621j:image


スカートのMV


スカート / 視界良好【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

「CALL」「静かな夜がいい」「視界良好」と3作に出ているスカートのミュージックビデオもとてもいい。軽やかな身体と弾むメロディ。表情の変化だけですべてを雄弁に語ってしまう俳優であるから、このどれもにピタリとハマってしまう。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310122802p:imagef:id:bsk00kw20-kohei:20190310122646j:image


素敵なダイナマイトスキャンダル

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310122911j:image

これは本当に驚いた。母親をダイナマイト心中で亡くしている末井昭の半生を描いた映画でそのストーリーはもちろんすごくインパクトがあるのだけど、そのストーリーの派手さと同じくらい三浦さんの演技もスペシャルで、めちゃくちゃいい。吸い込まれてしまう美しすぎる一挙一動。大人びた風貌なのに当時20、21歳(1996年生まれ)くらいで自分の年下と知ったときには、鳥肌がたった。これからもいろんな三浦さんが見れるんだろうなと確信した瞬間でもある。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310122939j:image


デザイナー 渋井直人の休日

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310124517j:image

 

“かわいらしさ”と“ぶっきらぼう”のうまい配合によって百の顔を演じ分けているように見えると前述したけど、これは“かわいらしさ”に全振りしてきたパターンの演技。役の幅が広すぎて、それぞれに顔も違いすぎて、普通に見てると同じ役者だと気づかないと思うんだよな~。そのへんで損してそうなくらいうまい。でも日本映画界とドラマ界はじわじわと彼女に侵食されているのだぞ。

 


このエントリーを記そうと思ってから三浦さんのことを調べてたら、歌手の活動もしている(していた?)ことを知った。そうしてカバーアルバム『かくしてわたしは、透明からはじめることにした』のなかの「遠く遠く」を聞いてたら、思わず泣きそうになった(仕事中に垂れ流してたので、すごい我慢したのだけど)。たしかに、彼女は「声」もとてもいいんだ。これまた“芯のある勇ましさ”と“やわらかく温かな質感”が相まった軽やかな声色。二律背反かもしれないそういう複雑な特徴を持つ彼女であるから、『21世紀の女の子』の一編「君はシーツ」で女性性の中に男性性を覗かせるような役柄を演じたのも、すごく頷けてしまう。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310123046j:imagef:id:bsk00kw20-kohei:20190319225658j:image


今はAmazonPrimeで見れる『鈴木先生』に夢中だ。三浦さんつながりで見たのだけど、めちゃおもしろいドラマ。(信頼する)監督で映画を選ぶとほとんどハズレがないのだけど、作品的な良し悪しは別にして、役者で作品を選び取るというのも、とても素敵なことです。

 

f:id:bsk00kw20-kohei:20190310123036j:image


普通に顔が好きなんだけどそれを言ってしまうとすぐに終わってしまうので、いろいろ作品を集めてみた。三浦透子さんにいつかインタビューしてみたいな。