「年男だー!」と喜んでいたら「俺ら厄年でもあるんやで」と友だちに言われてなんとなく急降下した2019年の年明け。そのせいかインフルエンザにもかかってしまい地獄だったのだけれど、そんな正月休みはこの『相席食堂』という番組にどっぷり浸かり、笑いすぎてむせていました。
『相席食堂』は関西ローカル(朝日放送)のバラエティー。パイロット版みたいなやつをちょうど一年前くらい(まだ関西にいたころ)に見ていたのでなんとなく覚えてはいたのだけど、4月から本放送がスタートしTverのおかげで関西以外でも人気になっているという噂を最近聞きつけて探していたら、なんと昨年11月からアマゾンプライムでも配信がはじまったらしく現時点で第10回まで見れる状況になっていた。ということで早速見てみたら、爆笑に次ぐ爆笑の嵐だったのだ。
番組の概要としてはいたってシンプル。「千鳥 ロケ」とYouTubeで検索したら無数のおもしろ動画が出てくるほどの百戦錬磨のロケマスターである千鳥が、スタジオで芸能人たちのロケ(芸能人が田舎まちに赴き地元の人とごはんを食べるといういたって王道なやつ)を見守るウォッチャーの側にまわり、おかしなことが起きると「待てぃボタン」を押して画面を停止して、そのありさまにひたすらツッコむ。なぜツッコむかというと、その芸能人たちがひとりでロケに行かせるには安心感のまるでない人たちで、普通のロケ番組なら起こらないこと(いわゆるツッコミどころ)が頻発するからなのだけど…。
長州力や鈴木奈々、具志堅用高、コロチキ・ナダルなど、ちょっと変わった芸能人の天然ボケに千鳥がツッコむという、まるで漫才を見ているような不思議な掛け合いにひたすら爆笑しながら、すごく清々しい「気持ちよさ」を感じるのは、なにも僕が関西人だからという理由だけではないように思う。例えば映画とかドラマを見ているときに「こんな設定ありえへんやろ」とか「なんでそんな行動すんねん」といったようにツッコミどころが気になることはよくあると思うのだけど、この番組ではそうした点を千鳥の2人が余すところなく、しかも完璧なワードでツッコんでくれる。これほど視聴者の心に迫るバラエティの形式は他にないのではとすら思う。
これを実現しているのはひとえに千鳥のセンスの良さ、ロケへの親しみだと思うのですが、普通のテレビだったら見過ごされそうな些細なことにツッコみをいれることで、“日常の小さなおかしさ”を掬いあげているところに、すごくグッときてしまうのです。当人にとっては少し恥ずかしいことも、的確なツッコミをいれることで笑いになる。例えば道端で少しつまずいても、カレーを作る予定なのにじゃがいもを買い忘れたとしても、いいツッコみがあれば笑い話になる。“笑い”のやさしいところが溢れていてとにかくサイコーなんですよね。
おもしろかった掛け合いをひとつだけ。長州力が空き地をはさんだ向こう側の道路を歩く3人組の婦人に声をかける。かなり遠くてこの時点ですごくおもしろい。
長州力:こんちはー!
3人組:こんにちはー!
長州力:すいません、ちょっと聞きたいことがあるんですけど…。食事ができるとこってあります? 食堂とか。この近くに。
3人組:……。(黙って向こう側に歩いていく)
実際は爆笑してしまったのだけど、もう見てるだけで悲しくなってくる場面でもあります。地元民にこんな無視のされ方をする芸能人はいまだかつていたでしょうか。かなり恥ずかしい状況でもありつつ、千鳥のツッコみによって「笑い話」へと変わりました。
ノブ:これはよくない
大悟:大人が3人で無視しょーる
ノブ:後ろ姿最高や
この番組YouTubeにも上がっちゃってるのだけど、なんとかアマゾンプライムに我慢してUPされていくのを待ちながら、最新回はTverで追っていこうと思います。年初めから大笑いだ。気分が乗ってきた。